『黄木信 - 幸せの仕掛人』8 月9日配信号
---『黄木信 - 幸せの仕掛人』8月9日配信号----
モリンダ ジャパンの黄木です。
 産経新聞の「話の肖像画」という連載コラムが人気ですが、黒沢 潤さんという記者が、元ニューヨークヤンキースの松井 秀喜さんを取材した時のエピソードを8月2日付けの同紙の別のコラム「ゴジラ“最後の雄姿”」に書いています。松井さんといえばニューヨークヤンキースのワールドシリーズ優勝に貢献し、最近元巨人軍監督の長嶋 茂雄さんとともに国民栄誉賞を受賞した人です。
 黒沢記者は松井さんの人間性に強烈な印象を受けます。インタビューで名刺を差し出した黒沢記者に対して松井さんは、「松井です」と名乗って自己紹介をしたというのです。その時の驚きを黒沢記者はこう書いています。
 「ヤンキースにいた松井といえば、ニューヨークで子供だって知らない者はいない。だからこそ取材しているのに律義に自己紹介されるとは想像もしていなかった」(「ゴジラ“最後の雄姿”」より)
 この話を読んで思い出したことがあります。元巨人軍の4番打者で国民栄誉賞第1号、ホームランの世界記録を持つ王 貞治さんとのエピソードです。
 王さんは福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)の監督をしていましたが、胃にがんが見つかり、監督を辞さざるを得ませんでした。そして手術後、信頼するお寺のご住職からモリンダを紹介されます。王さんはご住職からモリンダについてのストーリーを聞き、またご住職からの依頼であらかじめお渡ししておいたわたしからの手紙を読んでくださいました。
 ご住職からのその状況を聞いてとてもうれしく思いましたが、電話の向こうでご住職はこうおっしゃいました。「王さんはとても礼儀正しい方ですから、黄木さんに必ず電話が行きますよ。待っていてください」。期待していませんでした。まさか王さんから電話をいただくなんてあり得ないと思ったからです。
 ところがそれから数日後、ちょうどわたしが社長室にいた時にカスタマーサービスから電話がありました。「王さんとおっしゃる方からお電話です」。急いでつないでもらい、「お待たせしました。黄木です」と言いました。すると王さんはこうおっしゃったのです。「わたくし、王と申します。ご住職から紹介を受けてタヒチアンノニ ジュースを飲ませていただくことになりました」
 驚きました。直接電話をいただいただけでなく、ご自分から「王と申します」と自己紹介されたのです。それからの数分間は、わたしにとって至福の時でした。王さんといえばわたしにとってはヒーロー中のヒーローです。その王さんとわたしが電話で、一対一で話しているのです。
  「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」という句が教えるように、お二人に共通するのは、一流を極めた方ならではの腰の低さ、謙虚さです。自分を良く見せようなどという想いはさらさら見られません。
 見習いたいと思います。偉ぶったり、良く見せようとしたりする必要はありません。モリンダそのものが一流であり、本物なのですから。
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