「母の手帳」

 いよいよ新学期ですね。
近くに住む孫たちも元気に学校や幼稚園に出かけて行きました。
クラス編成や担任の先生も新しくなってワクワクしているようです。
いい季節になりました。
お元気でしょうか。
厳しい冬を何とか乗り越えた庭の植木の枝からも新しい芽が出始めました。

 満100歳まで故郷で独り暮らしをした母。
その母の世話のために東北道を何度往復したことでしょうか。
そんな私たち夫婦を力づけてくれたのは、四季の変化に合わせて毎年忠実に彩りを変える山や森の姿でした。
特に3月から5月にかけての芽吹きの季節は、高速道路から見える山々の若萌えの緑に「冬来たりなば春遠からじ」との言葉を重ね、母への寄り添いの決意を新たにしたものでした。

 その母がいよいよもって独り暮らしができなくなり、主治医の勧めで入院したのが4年前のちょうど今頃の季節です。
入院後は次第に認知症の症状が進み、訪問してもコミュニケーションができない状態でしたが、病院のスタッフの皆さんの手厚い看護と、何度も訪れてくださった友人の皆さんの温かい心に支えられながら、半年後に安らかに旅立ちました。

 確かに母は数十年間、私が生まれた家で独り暮らしをしていましたが、「独り」ではありませんでした。
生来の明るい性格で毎日のように近所の茶飲み友達が訪れていましたし、仲間内では同年齢の方々と比較して見た目も考え方も若々しいと評判でした。

 亡くなった後の家の整理をしていて、その理由の一端が分かったような気がしました。
残された何冊かの手帳の中に、母の勉強の跡が細かな字で残されていたのです。
本を読んだりテレビを見たりして学んだのでしょうか。
難しい言葉の意味や国際情勢などがびっしりと記されていました。
「いつまでも元気でいることが私の務めだから」。
それが母の口癖でしたが、その努力の姿を手帳から見て取ることができました。

 近いうちに帰省したいと思っています。
母が住んでいた家は、幸いにも生前母と親しくしてくださっていた近所に住む友人の方が定期的に見回ってくださっています。
山々の緑を満喫しながらの旅です。
その先には、亡き母についてのまた新たな発見があるかもしれません。
楽しみです。

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