新約聖書のコリント人への第一の手紙で、使徒パウロはこう諭しています。
「あなたがたは知らないのか。競技場で走る者は、みな走りはするが、賞を得る者はひとりだけである。あなたがたも賞を得るように走りなさい。しかし、すべて競技をする者は、何ごとにも節制をする。彼らは朽ちる冠を得るためにそうするが、わたしたちは朽ちない冠を得るためにそうするのである。」(コリント人への第一の手紙9:24-26)
古代オリンピックが始まったのは紀元前8世紀と言われています。
ですから、パウロが生きていた時代にはもうすでに800年近くの競技の歴史がありました。
現在の様式での近代オリンピックがクーベルタン男爵らの手によって初めて開催されたのは比較的新しく、1896年のことです。
さて、パウロの言葉ですが、「朽ちない冠」という表現に興味がわきます。
古代オリンピックでは勝者にオリーブの冠が与えられました。
パウロは、「どうせ朽ちてしまうオリーブで編んだ冠を得るためにもアスリートは節制をして努力する。しかし、われわれが得ようとするのは『永遠の命』という朽ちない冠である。だから、それ以上に努力すべきではないか」と諭しています。
今、隔週金曜日に開催しているモジュールゼロのビジネスウェビナーでは、『こころのチキンスープ』でおなじみのジャック・キャンフィールドが提唱する62の「成功法則」を軸に、人生の「朽ちない冠」を得るために「決して変わることのない大切なこと」についてご紹介しています。
モジュールゼロが目指すのは「自己実現」という「朽ちない冠」です。
私たちが目指すのは一時的な見かけだけの成功ではありません。
人としての永続する成功、つまり子や孫たちに心から誇れる人生を送ること、自分一人ではなく多くの方々と一緒に励まし合い、助け合いながら冠を手にすることです。
そこには嘘や偽り、策略、だまし合い、約束の不履行、憎しみ、恨みはありません。
逆に、親切、思いやり、利他の精神、感謝が存在します。
いついかなる時にも誠実かつ謙虚であり、ぞれぞれの違いを認めながら、互いの良さから学ぶ姿勢を大切にします。
また、外見的なものや数字上の結果ではなく、目には見えない「心と想いと動機」、すなわち私たちの人となりが人を動かすことを信じ、そう努力します。
4年に一度訪れるオリンピックという自己実現の機会を目指して、節制に節制を重ねてきたアスリートたち。
そのようなすべてのアスリートに心から賞賛の拍手を送ると同時に、私たちの「朽ちない冠」を得るための自己実現の場は4年に一度ではなくどこにでもあることに感謝したいと思います。
コメントを残す