「自然に対する謙虚さ」

日本列島は沖縄を除き、梅雨前線による長雨が続いています。
熱海の伊豆山地区では1週間前に大規模な土石流が発生し、多くの犠牲者が出ました。
心よりお悔やみを申し上げます。
伊豆山地区には知人の紹介で以前訪れたことのある観光施設があります。
高台のテラスから眺める相模湾の雄大な光景や周囲を彩る山々の緑に身も心も癒されました。
しかし、その美しい自然の中で突然の破壊的な土石流が発生し、甚大な被害が発生したことを知りました。
そして報道によると、大雨もさることながら人間の側の身勝手な行為のために被害が拡大し、結果として多くの人の命まで奪うことになった可能性があるとのこと。
事実であれば、同じ日本という自然豊かな国に住む者として残念でなりません。
自然は、調和し、共存し、大切に守るべきものであって、私利私欲のために濫用すべきものではないはずです。
地球温暖化の問題もそうですが、人は自然から豊かに受けている恵みに想いをはせ、感謝し、謙虚になる必要があると強く感じます。

少年の頃の私を温かく、優しく包んでくれたのは、故郷の山河でした。
そして、その自然との付き合い方を教えてくれたのが、近所のお兄ちゃんたちでした。
近い年齢のきょうだいがいなかった私にとって、彼らは英雄でした。
彼らの間では昔から受け継がれてきた伝統のようなものがあって、それに基づいて、「山に一緒に行けるのは小学校に入ってからだな」とか、「3年生か。だったらあそこまで泳ぐのは大丈夫だ」とか、「自分のナイフを持つのは6年になってからだぞ」などと指導してくれたものです。
今考えてみると、偉大な自然とどう付き合っていくかを、成長に合わせてしっかり教えてもらったと思っています。

そんな経験もあって、3人の息子たちにはできるだけ外で遊ぶことをすすめると同時に、ボーイスカウト活動に参加させました。
ボーイスカウト活動は、自然とどう調和していくかを、自然の中の実体験を通して年齢に合わせて身に付けていくものです。
まさに私が近所のお兄ちゃんたちから教えてもらったと同じことを体系的に身に付けることができます。
おかげで息子たちは積極的に自然と親しむようになり、今でも家族みんなで自然に触れることを大切にしています。

私たちのボーイスカウト活動のハイライトは、高校生のシニアスカウトたちとの北アルプス縦走でした。
天気が安定する梅雨明けからお盆までの間の約5日間を選んで、北アルプスの3,000メートル級の頂を目指します。
目的は、それまで学んだボーイスカウト技術を総動員して縦走にチャレンジすること、そして最も大切なことは、危険と隣り合わせの自然に身を置くことにより自然の偉大さを体験し、謙虚になることでした。
親子共々とてもいい機会だったと感じています。

自分を愛するように自然を愛し、自分を大切にするように自然を大切にする気持ちを持ち続けたいと思います。
そのためには、自然と積極的に調和しようとする謙虚さが求められます。
自然への傲慢さは自然を、すなわち私たちが住む地球を滅ぼすことになるからです。

 

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