博士のつぶやき

博士のつぶやき　「No.　577」【麻】

麻と聞くと麻薬？などとネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれません。でも実は麻は私たちの身近なところで利用されています。例えば、麻の茎から得られる繊維は屈強なため、帆船の帆やしめ縄にも使われています。果実（種）は七味唐辛子の一つとして、また食用オイルとして使われています。私たちの身近で利用されているのは「茎」や「果実」で、これらの部位には麻薬成分がほぼ含まれないため安全です。利用する部位が重要なのです。ちなみに麻薬は主に「麻の葉」を利用するそうです。ところで麻に含まれる成分でカンナビジオール（Cannabidiol、CBD）という植物栄養素があるのをご存じですか？　健康をサポートする植物栄養素の一つとして注目されています。「Cannabidiol」や「CBD」を検索ワードにして『PubMed1』で検索すると 8,000を超える学術論文がヒットし、安全性、有用性などさまざまな研究が報告されています。CBDは科学の世界でも注目されていることが分かります。

１：米国国立医学図書館（NLM）が作成する医学分野の代表的な文献情報データベース